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会社情報

北都留森林組合

 

 北都留森林組合(波多野晁組合長)は、山梨県東部に位置し、上野原市、小菅村、丹波山村を管内とする広域森林組合です。

 県境を越えた隣町には、東京都奥多摩町や桧原村、神奈川県相模原市があります。

 管内森林面積は、24,721ha(うち民有林は15,719ha)ちょうど全国森林面積約2,500万haの約1/1,000の広さとなります。

 組合員数1,937名、職員数25名。

 当組合管内の森林は、東京都へ流れる多摩川の源流と神奈川県に流れる源流の一部となっています。

 

山梨日日新聞取材記事

 波多野晁組合長インタビュー記事

北相模・甲斐東部里まちネットワーク設立​
 

 ひとつの流域の中で、水が高いところから低いところへ流れるように、丸太も山側から下流の都市へ流れるのが自然な流れです。

 山梨県の東部に位置し、東京都と神奈川県に隣接する当組合では、県内で生産された丸太を県内で消費するといったこれまでの「県産材」の考え方の枠を超え、下流の大都市へ「流域材」として丸太を販売していくくことにビジネスチャンスがあると考えました。

 「源流の木を使うことで森が守られる」、「皆さんの飲み水は上流の森から流れてくる」といった都市住民にとってわかりやすいメッセージを下流の神奈川県、東京都に発信しながら、物としての木材のみを売るのではなく、その木材が育った森を守る価値も含めて適正価格で購入してもらえるように呼びかけてきました。

 そんな中、平成25年6月に私共の隣町である神奈川県相模原市の津久井郡森林組合から、国土交通省による補助金制度「地域型住宅ブランド化事業」に地元の工務店と一緒に応募したいので、当組合にも協力してもらいたいと相談がありました。

 同事業への応募にあたり設立されたグループ名は、「北相模・甲斐東部里まちネットワーク」、通称「里まちの家」です。相模川流域の2つの異なる県にある森林組合が事務局となり、それに山梨県側2社、神奈川県側12社の地元工務店が集まる県境を越えた流域連携ネットワークグループが誕生しました。

 これまで建売を主に事業展開してきた地元の工務店の間では、これからは何か特色を打ち出さなければ、やがて大手パワービルダーとの競合に負けてしまうという強い危機感がありました。また、話し合いの中で地元工務店では、これまで地域材を利用したくても手に入らないために仕方なく外材を利用してきたとの話が上がりました。

 そこで、グループメンバーに地元の甲斐東部財原木市場や甲斐東部プレカット協働組合も入ってもらい、当グループのメンバーが地域材を自由に購入、加工できる仕組みをつくりました。

 この取り組みがきっかけとなり、これまでに山梨県外との取引が少なかった相模川流域で唯一の甲斐東部財原木市場に、新たな県外工務店が顧客として加わり、市場の活性化に繋がる大変良い波及効果が生まれました。

 

里まちの家のねらい

 

里まちの家では、地元工務店が地産地消を目的とし、地域材を70%以上使用した家をつくっています。

条件は、長期有料住宅の認定と第三者検査会社の施工品質チェックを必ず受ける家としています。

 私たちは、小さな工務店一社ではなかなか取り組みづらいことも、グループ全体で能動的に動くことで解消していくことができると考えています。これからひとつの流域の中で県境を越え「地産地消」をキーワードに住宅建設を軸とした地域産業の密なる連携と活性化を図っていきたいと考えています。

 将来的には、「里まちの家」の真のブランド化を目指して、この取り組みに関わる地域の多くの人々が生業(なりわい)にしていけるように進めていきたいと考えています。

 私たちのグループは、これから住宅を建てる人々にとって、住宅展示場に出展できる大手ハウスメーカーと並び比較して頂けるようなひとつの選択肢になれることを目標に努力しちえいます。

 今の木材流通は、森林組合が市場へ納めた木が誰に買われ、誰に使われていくのか、顔の見える関係がほとんどなくなりましたが、里まちの家グループの中では、山から施主であるエンドユーザーまで全ての官営者の顔の見える関係を築いていきたいと考えています。

 今後は、都市の人々とふれあえる場をできる限り多くつくっていきたいと思います。お互いの顔が見える関係をつくっていくには、実際に直接会い、まずは話をすることから始めなければなりません。これからは森林組合の職員も山から里へ下りてきて、多くの出会いを求めて活動していきいます。

 「里まちの家」が目指す環境にも優しい家は、街の景観にもとても優しいと考えており、いつか、里まちの家がたくさん街に建てられ、その街並みをも素敵な景観に変えていくことを夢見ています。

 

月刊森林組合 No.534 寄稿文

「北相模・甲斐東部里まちネットワークの挑戦」

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